色覚異常の大学生が語る「日常」に潜む困ったこと

大学生をしております。
突然ですが、僕、色覚異常です!
色覚異常とは大多数の人が見ている色とは異なる色に見えたり、色を上手く判別できない状態のことを言います。
日本人男性の約5%が先天性の色覚異常だと言われています。
僕が色覚異常だと分かったのは中学生のときに受けた色覚検査の結果を見た時ですが、今思えば物心ついた頃からずっと違和感のようなものがありました。
例えば、芸術科目。
通知表には
「下書きは上手に書けていますが、色使いが苦手なようです。」
と毎度のごとく書かれていたのを覚えています。
中学時代には僕の描いたリンゴの絵の色味がおかしかったらしく、腐ったリンゴとして部室に飾られていた程です。(笑)
↑いじめとかじゃないですよ!
他にも、色の区別が上手くできなくて困ったこと(今でも困ってる)が結構あります。
そこで今回は、色覚異常者の僕が実際に経験してきた「色覚異常ならではの悩みや苦悩」についてお話ししようと思います。
色覚異常とは
冒頭にもお話ししましたが、色覚異常とは色の見え方が他の人たちと異なっていたり、色の区別がつきにくいことを言います。
先天性の色覚異常の方は日本人男性の約5%(女性0.2%)ほど。
色覚異常には3つの視細胞(赤・緑・青を区別する細胞)のうち一つが欠けている「2色覚」や視細胞のどれか1つの機能が低下している「異常3色覚」などがあります。
2色覚については「色盲」、3色覚については「色弱」と言われたりもします。
出典:三和化学研究所
ちょっとしたサンプルですが、発生頻度が高い2型色覚(2型2色覚と2型3色覚)の人が間違いやすい色の組み合わせです。
(RGBで数値指定しないと自分では判断できないので作るの少し大変でした。(笑))
僕の場合だと、最初の「オレンジと黄緑」の組み合わせが「黄色とオレンジ」に見えたり、「青と紫」の組み合わせが「濃度が少し違う青」に見えます。
何かが違うということは分かるのですが、ほとんど同じに見えるんです。
続いて石原式色覚異常検査表の結果です。
正常ならば、その多くが上から順に「74」「6」「見えない」と見えるようです。
しかし、色覚異常だと「21」「見えない」「2」と見える人が多いようです。

最初の[21]については少し曖昧なところもありますが、3つ目に至っては完璧に「2」に見えます。
色覚異常で困ったこと
日常生活において、色覚異常で困ることって一体どういうことがあるのでしょうか?
それを今から見ていきます。
学校編
芸術科目の評価が低い
冒頭にお話しした通り、芸術科目で良い評価を得ることは難しいです。
もちろん、色覚異常でも芸術が得意だ!って方もいらっしゃるかと思いますが、僕の場合は色塗りの時間が怖くて仕方ありませんでした。
青空を描こうとしたら夜になっちゃった!なんてこともしばしば。(笑)
当時は自分も色覚異常であることを知らなかったので、自分には芸術の才能がないとよく落ち込んでいました。
化学反応(色変化)が分からない
化学・実験と言えば誰しもが体験したことのある炎色反応。
物質を燃やしたら炎の色が変わる。実に興味深い反応ですよね。
しかーし、僕にはどう変化が起こっているのかさっぱり。
噂によると、彼ら「赤」とか「橙赤」とか「紅」とかに変わるらしい。
実を言うと、僕、化学系の学部に進もうと思っていたのですが、以上のような理由から親や先生に反対され、数学の道に進むことになってしまった、なんて過去もあります。
チョークの色が区別できない
これ、あるあるじゃないですか?
チョークの色(黄色、緑、赤あたり)の区別がつきません。
「赤で書いたところ重要だから~」
とか言われてもどこか分からん!
よく、隣の席の人に教えてもらっていました。
部活動編
同系色のユニフォームだと敵味方の区別がつかない
僕、高校までずっとサッカーをしてまして、試合で着るユニフォームが相手のものと似た色だと敵味方の区別が付かず、試合中よく迷子になってました。
ユニフォームだけでなく、練習で使うビブスやマーカーなんかもそうですね。
僕自身、色覚異常であることを忘れていて、途中で顧問の先生に
「色見えてない?」
って言われて
「あ、忘れてました!僕色覚異常です!」
って答えたのを今でも覚えています。

日常編
お肉が焼けているか分からない
お肉の焼け具合が全く分かりません!
これ、色覚異常の方で共感できる人多いんじゃないですかね?
焼肉に行ってもお肉が焼けているか分からないため、いつも友人や家族に任せてしまっています。
僕は胃腸がすっごく弱いので、家お肉を焼くときは焦げる手前までじっくり焼くようにしています。
今はまだ大丈夫ですが、社会人になって上司に焼肉に連れて行ってもらったりした際に失礼にならないか不安だったりもします。。。
ボールペン(インク)の色が分からない
黒で書いていたつもりなのに緑だった、なんてこともしばしば。
緑と黒がセットのボールペンは非常に厄介。
僕の確認不足もありますが、大事な書類を緑インクで記入したりと何度も痛い目を見ました。
一人暮らしだと確認してくれる人もいないので、黒か緑か判定するのすっごく難しいです。
コーディネートが難しい
20代前半。
高校までは制服だったのでおしゃれもしてみたい!
そうは思うのですが、色覚異常ゆえにコーディネートが難しい。
同系色でまとめるのがベターらしいが同系色が分からない。
そのため、いつも地味なパーカーばかり着ています。
これに関しては誰かにコーディネートを頼めばよいですが、人に選んでもらった服ってなかなか着づらくて。。。

以上、色覚異常の僕が生活を送る際に困ったことでした!
最後に
いかがだったでしょうか。
色覚異常について少しは理解が深まったでしょうか?
多くの場合、色覚異常というのは日常生活にあまり支障をきたさないと言われています。
しかし、今回ご紹介したように些細なことですが、色が分からなくて困る場面も多々あります。
もし、あなたの周りに色覚異常で悩んでいる方がいましたら、そのことを理解した上でサポートしてあげてください!
また、「色覚補正メガネ」というものがこの世の中には存在するそうです。
もし色覚異常でお悩みの方いらっしゃれば見てみてください!今までとは違った世界が広がっているかもしれません。
それでは、最後まで読んでいただき有難うございました!